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2018年3月27日火曜日

4月7日(土):第246回研究会


日時201847日(土) 14時~17
会場専修大学法科大学院棟3階「835教室」

報告者:赤坂正浩(法政大学)
報告判例 20171010日決定(1 BvR2019/16)[性別表記について]
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2017/10/rs20171010_1bvr201916.html
決定要旨
 1.  一般的人格権(基本法11項と結びついた21項)は、性自認(die geschlechtliche Identität)を保護している。一般的人格権は、継続して男性にも女性にも属しえない人の性自認も保護している。
 2.  基本法331文は、継続して男性にも女性にも属しえない人も、性による差別から保護している。
 3.  継続して男性にも女性にも属しえない人は、身分登録法(Personenstandsrecht)が、性の登録を義務づけているにもかかわらず、男性でも女性でもない積極的な性の登録を認めていない場合には、この二つの基本権を侵害されている。

クリップボード@月報第256号


戸波江二・宍戸常寿・荒木実・湯川二朗
「公法系訴訟サマースクール2016(2)憲法訴訟における主張構成の方法」法学教室450号(20183月号)

赤坂幸一
「統治機構論探訪12――立法事実と立法資料:司法判断の理由付け」法セミ759号(20184月号)

木下昌彦編集代表『精読憲法判例[人権編]』(弘文堂、2018.2
丸山敦裕 14章(取材・報道の自由)担当
門田孝 15章(居住・移転の自由)担当
柴田憲司 19章(生存権)担当

法学研究911号(大沢秀介教授退職記念号、2018.1
小山剛「転換点としてのGPS捜査判決?」
鈴木秀美「ドイツにおける裁判テレビ中継と裁判の公開――2017年の裁判所構成法改正を手がかりに」
岡田俊幸「ドイツ基本法における『集会』の概念をめぐる最近の議論」
石塚壮太郎「『健康権』の法的性質――ニコラウス決定と基本権ドグマーティクの揺らぎ」

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一
「戦後憲法学の70年を語る——高橋・高見憲法学との対話・3-2 第8回 憲法訴訟論と審査基準論」法律時報903号(2018.3

三宅雄彦
「ドイツ憲法判例研究(202)CETA(欧加自由貿易協定)暫定適用決議への連邦政府の同意[連邦憲法裁判所第二法廷2016.10.13]」自治研究 943号(2018.3146-152

2018年3月3日土曜日

3月3日(土):第245回研究会

更新が大変遅くなりましたことお詫び申し上げます。

日時2018年3月3日(土) 13時~18時   *開始時間と会場にご注意ください!
会場慶應義塾大学三田キャンパス南館地下3階 2B33教室
https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html(南館はキャンパスマップ12番の建物)

報告①(サブ報告) 13:00~14:50
報告者:山中倫太郎(防衛大学校)
報告判例:2016年9月20日の第二法定決定(2 BvR 2453/15)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/09/rs20160920_2bvr245315.html
決定要旨

  1. 連邦の最高の裁判所への裁判官の任命は、基本法33条2項によって審査されなければならない。95条2項によって前もって与えられた選出手続は、しかし、純粋な執行府の選出及び昇進決定に対する修正を条件付ける。
  2. 裁判官選出委員会の構成員は、その決定に際しては、基本法33条2項への主務大臣の拘束を尊重しなくてはならない。本来の選出行為は、裁判官の統制には服さない。
  3. 主務大臣は、その決定に際して、形式的な任命要件が充足されない場合、手続法上の基準が遵守されない場合、又は、すべての事情を考慮し、かつ、とりわけ基本法33条2項の評価を背景とした場合、その結論をもはや支持できない場合を除いては、選出結果に従わなければならない。
  4. 大臣は、その同意を拒絶する場合、又は、裁判官人事委員会の見解、若しくは、勤務上の判断によれば、候補者の選出に同意しない場合には、理由を説明しなければならない。


報告②(メイン報告) 15:00~18:00
報告者:カール=フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)
報告判例:原子力燃料税に関する2017年4月13日第2法廷決定(2 BvL 6/13)
http://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2017/04/ls20170413_2bvl000613.html
決定要旨

  1. 憲法105条・106条で列挙されている租税および税種について、憲法は類型概念を使用している。
  2. 憲法105条・106条で既定されている広く解釈されるべき類型概念の範囲内では、立法者は、新たな租税を「発明」する自由を有する。
  3. 憲法105条・106条が連邦及び州への立法管轄を認めていることは、完結されている。憲法106条の租税類型を超える一般的租税発明権は、憲法から導くことができない。
  4. 経営者が純粋な生産手段として使用する財物を課税することは、消費税*として個人の収入使用に負担をかける立法構成と原則として両立しない。
  5. 原発燃料税は、憲法106条1項2号における消費税に該当しない。

*Verbrauchsteuerの直訳としてここで「消費税」を使用するが、日本の消費税はドイツのUmsatzsteuer(付加価値税)に該当するため、疑問が残る。誤解を招く直訳ではあるが、より適切な訳語を見当たらないため、やむを得ず使用している。

クリップボード@月報第255号

更新が大変遅くなりましたことお詫び申し上げます。

赤坂幸一

  • 「内閣法制局の矜持」牧原出編『法の番人として生きる 大森政輔 元内閣法制局長官回顧録』(岩波書店、2018年)311-318頁
  • 「オーストリア連邦首相府憲法部の機能――ウィーン調査報告」レファレンス805号(2018年2月号)13-24頁
  • 「日本国憲法のアイデンティティ 第1回 座談会:憲法のアイデンティティを求めて」論究ジュリスト2018年冬号(宍戸常寿・大河内美紀・林知更・西村裕一・山本龍彦との共著)
  • 「統治機構論探訪11――透明性の原理」法セミ758号(2018年3月号)53-60頁
  • 「国会審議の充実策-少数派権の観点から」The Page 2018.01.21
  • 「統治機構論探訪10――予防的規範統制」法セミ757号(2018年2月号)93-97頁
  • 「議会少数派権の確立を」(毎日新聞2018年2月26日朝刊)
  • 「統治機構探訪9――私化時代の法定立」法学セミナー63巻1号(2018.1)62-67頁
  • 「統治機構探訪8――ガバナンス」法学セミナー62巻12号(2017.12)72-77頁


上村都
「ドイツにおける『ヘイトスピーチ』規制」比較憲法学研究29号(2017.10)93頁、

栗島智明
「ドイツ連邦憲法裁判所のサンプリング判決にみる著作権解釈:著作権と憲法の“複雑な関係”〈WINDOW2017〉」コピライト674号(2017.6) 33-39頁

小山剛
「原発問題から検証する公法理論(2) 脱原発と財産権」法律時報90巻1号(2018.1)95-100頁

實原隆志
「「刑事訴訟法197条1項但書きの趣旨」の予備的考察」福岡大学法学論叢62巻3号(2017.12)559-594頁

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一

  • 「戦後憲法学の70年を語る : 高橋・高見憲法学との対話2-3・第6回 権力分立論と国家の諸作用」法律時報90巻1号(2018.1)84-94頁
  • 「戦後憲法学の70年を語る——高橋・高見憲法学との対話・3-1 第7回 司法権の概念」法律時報90巻2号(2018.2)90-98頁


三宅雄彦
「租税国家原理とドイツ財政憲法の構造転換」法律時報90巻2号(2018)84-89頁

毛利透
「憲法訴訟の実践と理論(9)――投票価値較差訴訟の現状と課題」判例時報2354号(2018)

カール=フリードリッヒ・レンツ
「ドイツ憲法判例研究(201)原発廃止立法に関する違憲判決[ドイツ連邦憲法裁判所第一法廷2016.12.6決定]」自治研究94巻2号(2018.2)155-162頁

2017年12月30日土曜日

2018年1月6日(土):第244回研究会

日時:2018年1月6日(土) 14時~17時(予定) 

会場:専修大学法科大学院棟3階「835教室」 

報告者:石塚壮太郎(北九州市立大学) 

報告判例:2016年4月20日第1法廷判決(BVerfGE 141, 220)――連邦刑事庁法一部違憲判決
http://www.bverfg.de/e/rs20160420_1bvr096609.html

判例要旨
1. a) 秘密の監視措置(住居監視、オンライン捜索、電気通信監視、電気通信データ取得、データ取得の特別の手段を用いた住居外の監視)の投入に関する連邦刑事庁への授権は、基本法における国際テロリズムの危険の防止のために、基本法の基本権と合致する。 
b) そのような権限の形成は、比例原則を満たさなければならない。深く私生活にまで達する権限は、十分に重い法益の保護または補強に限られなければならず、この法益の危険が十分具体的に見通せることを前提としなければならない。目的となる人物の周囲から責任なき第三者への〔介入〕権限の拡大は、限られた条件下でのみ許される。〔介入〕権限には、私的な生活形成の核心領域ならびに職業上の守秘義務を負う者を保護するための、優れて特別な規定が必要である。〔介入〕権限は、透明性、個人の権利保護および監督的統制の要請に服し、取得データに関する削除義務により脇を固められなければならない。 

2. 国家により取得されたデータの利用および伝達にかかる要請は、目的拘束と目的変更の原則に従う。 
a) 目的拘束の射程は、データ取得のためのその都度の授権に従う。データ取得の目的は、第一にその都度の捜査手続から見つけ出される。 
b) 立法者は、データ取得を決定づけた手続を超えて、このデータの当初の目的の枠内で、データ利用を許可することができる(再利用)。このことが前提とするのは、そのデータの利用が、同じ官庁により、同じ任務の達成のために、同じ法益の保護のためになされることである。さらに、住居監視または情報技術システムへのアクセスから得られたデータが問題となる場合には、そのいかなる再利用にも、データ取得を決定づけた、危険状況にかかる要請が満たされていなければならない。 
c) 立法者は、それを越えて、当初のデータ取得の目的とは異なる目的のための、データ利用を許可することができる(目的変更)。
 そのような目的変更のための比例性要請は、仮想的なデータ取得の原則に準拠する。それによれば、データの新たな利用は、その新取得が同等に重みづけられた手段により憲法上正当化されうるような重さの、法益の保護または犯罪の解明に資するものでなければならない。それに対して、データ取得の際のような、具体化された危険状況が、原則的に新たに必要とされるわけではない。しかし、必要かつ十分なのは、通常、具体的な捜査端緒の存在である。 

3.もっとも、住居監視およびオンライン捜索から得られたデータが問題となる場合、変更された目的での利用は、データ取得を決定づけた、危険状況にかかる要請も満たされている場合にのみ認められる。外国の国家機関へのデータの伝達は、目的拘束および目的変更という一般的な憲法原則に服する。新たな利用の評価に際しては、他の法秩序の固有性が考慮されなければならない。外国へのデータの伝達には、受取国でデータの十分に法治国家的な取り扱いが期待されうるかについての確認が求められる。

クリップボード@月報第254号

工藤達朗、西原博史、鈴木秀美、小山剛、毛利透、三宅雄彦、斎藤一久編著
『憲法学の創造的展開 上巻』戸波江二先生古稀記念(信山社、2017.12)
  • 1. 栗城壽夫「憲法の規範力の観点から見たヘルマン・ヘラーの社会的法治国家論」
  • 2. 毛利透「アレクシーとケルゼンはどう異なるのか―法学における視点選択の意義について」
  • 3. 渡辺洋「慣行と制裁―『法哲学の基本文献』を読み直す」
  • 4. ライナー・ヴァール(石塚壮太郎訳)「ワイマール憲法―十分な民主主義者なき民主制」〈原題〉Die Weimarer Verfassung:Eine Demokratie ohne genugend Demokraten〔Rainer Wahl〕
  • 5. 甲斐素直「オーストリア初期憲法史概説」
  • 6. 斎藤一久「日本における憲法パトリオティズムの可能性の探究」
  • 7. 實原隆志「国法学と実務の近さを批判する純粋法学的言説について」
  • 8. 藤井康博「現代ドイツ憲法学における国家目的『自由』『安全』『生命』――『国家なき国法学』に抗する立憲国家目的へ」
  • 9. 西土彰一郎「グローバル憲法についての覚書―憲法社会学を参考にして」
  • 10. 三宅雄彦「職務概念と公法理論―E・V・ハイエンの職務行政史・職務文献学・職務図像学」
  • 11. 小山剛「エバーハルト・グラビッツの基本権論」
  • 12. 玉蟲由樹「基本権制約はなぜ比例的でなければならないのか」
  • 13. 土屋武「基本権解釈の『主体』に関する予備的考察―P.ヘーベルレ,J.イーゼンゼー,M.ボロウスキの所説を中心に」
  • 14. 中野雅紀「価値・原理・統制―価値秩序における基本権」
  • 15. 千國亮介「私人間効力論議に関する覚書―憲法は私人間において無適用だが直接効力が及ぶ」
  • 16. 武市周作「外国権力による基本権侵害と保護義務―外国の情報機関からの保護義務の可能性」
  • 17. 棟居快行「プライバシー権の来し方・行く末」
  • 18. 嶋崎健太郎「生命の権利の衡量可能性」
  • 19. 押久保倫夫「それでも『人間の尊厳』は絶対である」
  • 20. 山本悦夫「参議院制度と投票価値の平等」
  • 21. 有澤知子「同性婚とアメリカ合衆国憲法―Obergefell v. Hodges判決を中心に」
  • 22. 西原博史「遺族年金差別訴訟に見る平等権領域における立法裁量の位置づけ」
  • 23. 大野友也「平等保護における合理性審査の厳格適用について」
  • 24. 馬場里美「共生と人権―ライシテをめぐる政治と法の交錯」
  • 25. 鈴木秀美「インターネット上のヘイトスピーチと表現の自由―ドイツのSNS対策法をめぐって」
  • 26. 岡田俊幸「ドイツ基本法における『集会』の概念」
  • 27. 杉原周治「民間放送における『支配的な意見の力』と集中排除規制―Axel SpringerによるProSiebenSat.1の合併計画をめぐる連邦行政裁判所2014年1月29日判決の分析を中心に」
  • 28. 石塚壮太郎「芸術の自由と著作権の相克―サンプリング事件判決を中心に」
  • 29. 柴田憲司「生存権の『制約』可能性―比例原則の適用可能性の「前提」をめぐるドイツの議論状況の覚書」
  • 30. 清野幾久子「福田徳三のシュタイン継受と「もう一つの立憲主義」―戦前生存権論とデモクラシー」


『憲法学の創造的展開 下巻』戸波江二先生古稀記念(信山社、2017.12)
  • 31. 井上典之「欧州連合という「国家ではない未来の形」―その核心にある基本権とともに」
  • 32. 大森貴弘「Staatenverbund:国家複合の概念―概念階層における位置及び適訳の探究」
  • 33. 門田孝「欧州統合に際しての国内機関の「責任」について―リスボン条約判決の「統合責任」論に着目して」
  • 34. 中西優美子「ドイツ連邦憲法裁判所とEU司法裁判所間の対話の発展」
  • 35. 建石真公子「ヨーロッパ人権条約第15議定書による「補完性原則の条約化」における「条約の実効性」と「国内裁判所の自立性」の対立と立憲主義」
  • 36. 新村とわ「EU 法における「補完性原則」の進展―司法判断と早期警戒システムを中心に」
  • 37. 江島晶子「人権実現における議会の新たな役割―ヨーロッパ人権条約・1998年人権法とイギリス人権合同委員会の関係から」
  • 38. 北村泰三「EU刑事司法と立憲的人権保障の課題」
  • 39. 近藤敦「無国籍者に対する収容・退去強制・仮放免の恣意性―比例原則と適正手続違反」
  • 40. 河合正雄「絶対的無期刑は非人道的な刑罰か―ヨーロッパ人権条約3条の視点から」
  • 41. 荒牧重人「子どもの権利条約と教育への権利保障―国連・子どもの権利委員会の一般的意見の分析」
  • 42. トーマス・ヴュルテンベルガー(高田倫子訳)「期限付きの支配(Herrschaft auf Zeit)としての民主制」〈原題〉Demokratie als Herrschaft auf Zeit〔Thomas Würtenberger〕
  • 43. 松原光宏「法学理論としての国民代表の観念について―理念としての代表」
  • 44. クリスティアン・シュタルク(太田航平訳)「法律および公行政によるその適用」〈原題〉Das Gesetz und seine Anwendung durch die öffentliche Verwaltung〔Christian Starck〕
  • 45. 牟憲魁「『法律の留保』の要否――台湾での議論を中心に」
  • 46. 石村修「警察の責務と情報収集活動」
  • 47. 高橋雅人「大学の自治と民主主義原理―ドイツにおけるNPM改革をめぐる議論から」
  • 48. 畑尻剛「憲法裁判における『制度』とその『運用』―比較憲法の対象としてのドイツ連邦憲法裁判所が教えるもの」
  • 49. カール=フリードリッヒ・レンツ「日本でドイツ法を学習する意味―抽象的違憲審査を題材に」
  • 50. 川又伸彦「緊急事態憲法と憲法裁判―ドイツ憲法異議手続きの制定史を素材に」
  • 51. 斎藤誠「或る確認訴訟の波紋(一八九四年)―権限裁判所・権限争議手続不存在の下で」
  • 52. 赤坂正浩「適用違憲論を考える」
  • 53. 武田芳樹「立法事実の審査に関する一考察」
  • 54. 國分典子「韓国における大統領弾劾審判とその基準」
  • 55. 根森健「ドイツ連邦憲法裁判所裁判官選任手続と民主的正当性―ヘーレートの公聴会制度の導入論を素材に」
  • 56. 渡辺康行「最高裁裁判官と「司法部の立ち位置」―千葉勝美裁判官の違憲審査観」
  • 57. 山元一「“空前”の「司法官僚」―泉徳治の研究」
  • 58. 柏﨑敏義「明治初期・立憲体制直前の財政法令―明治15年~22年の財政法令の整備」
  • 59. 枦山茂樹「合衆国憲法下の条約と法律―連邦三権の機能論」
  • 60. 工藤達朗「憲法改正手続規定に違反して行われた憲法改正の効力」

石村修「憲法と安全―警察と自衛隊の役割」専修ロージャーナル13号(2017年12月)

浮田徹
[ドイツ憲法判例研究(199)]「弁護士と医師・薬剤師との共同経営事務所形態での結びつきを禁止する規定が違憲とされた事例[連邦憲法裁判所第1法廷2016.1.12決定]」自治研究93巻12 号(2017年)144-152頁

鈴木秀美
  • [ドイツ憲法判例研究(200)]「公共放送内部監督機関の委員構成の合法性-第二ドイツ・テレビ判決[連邦憲法裁判所第1法廷2014.3.25判決]」自治研究94巻1号(2018年)141-148頁
  • 毎日新聞2017年12月27日朝刊11面「論点 NHK受信料」 

中西優美子「EU電子通信データ分野における個人データ保護及びプライバシー権と国内法」自治研究94巻1号 (2018年)96-108頁

吉岡万季
「憲法上の親の面会交流『権』:ドイツの生物学上の父の面会交流『権』を参考に」中央大学大学院研究年報法学研究科篇第46号(2017年2月)

2017年12月4日月曜日

12月9日(土):第243回研究会

日時:2017年12月9日(土) 14時-17時

会場早稲田大学早稲田キャンパス10号館101教室 *専修大学ではありません。ご注意ください。

*会場はキャンパスの奥まった場所にあります。以下のウェブサイトでご確認ください。
*終了後、18時より戸波先生古稀記念論文集の献呈式をリーガロイヤルホテルにて開催します。

報告者:土屋武(新潟大学)

報告判例:2017年1月17日の第2法廷判決[NPD判決](2 BvB 1/13)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2017/01/bs20170117_2bvb000113.html
判例要旨
1. 基本法21条2項に基づく政党禁止は、民主的法治国が組織的な敵に対する武器として最も先鋭的にしてさらには両刃の剣である。政党禁止は、憲法敵対的な基本的傾向を持った政党の存在とその団体として典型的な作用可能性に由来するリスクに対処する。
2. 政党の国家からの自由の要請と公正な手続の原則は、禁止手続を実施するうえでも必要不可欠である。
  • a) 政党に対する禁止手続中に当該政党の指導層に対して行われる秘密調査員の捜査活動は、厳格な国家からの自由の要請と一致しない。
  • b) 禁止の申立ての理由が、少なくとも一部が秘密調査員の活動によって成立する証拠資料に基づいている場合も同様である。
  • c) 公正な手続の原則が命じるところでは、禁止手続期間中の憲法擁護庁による政党の観察が政党の訴訟戦略の探知に役立つものであってはならず、また観察の枠内で得られた訴訟戦略に関する情報は手続の中で政党に不利な形で用いられてはならない。
  • d) 手続中止となるような障害は、憲法違反のありうる法的効果の最終手段としてのみ顧慮される。除去できない手続的障害の存在を確認するためには、一方で法治国家的な手続的要求と他方で当該手続の予防目的との間の衡量が必要である。
3. 自由で民主的な基本秩序の概念には、自由な立憲国家それ自体にとって欠くべからざるような中心的な基本原理のみが含まれる。
  • a) 自由で民主的な基本秩序は、その出発点を人間の尊厳に見いだす(基本法1条1項)。人間の尊厳の保障はとりわけ、人格的個別性、アイデンティティおよびインテグリティの維持、ならびに基本的な法的平等を含む。
  • b) さらに民主制原理は自由で民主的な基本秩序の本質的な構成部分である。民主制にとって放棄できないのが、すべての市民の政治的意思形成プロセスへの同権的参加可能性と国家権力の行使が国民にさかのぼって結び付けられることである(基本法20条1項および2項)。
  • c) 最後に、自由で民主的な基本秩序の概念にとって規定的なのが、法治国原理に根ざした公権力の法的拘束(基本法20条3項)と独立の裁判所によるこの拘束の統制である。同時に実定憲法によって保障された個人の自由は、物理的暴力の使用は裁判所の拘束的な統制に服する国家機関に留保されることを要求する。
4. 自由で民主的な基本秩序の除去の概念は、少なくともその本質的要素の廃止または他の憲法秩序や他の統治システムによる転換を意味する。ある政党がその政治的コンセプトによれば十分な強度をもって自由で民主的な基本秩序の感知可能なspürbar危険をもたらす場合には、〔自由で民主的な基本秩序を〕制約していることを出発点とすることができる。

5. 政党が自由で民主的な基本秩序の除去または制約を希求していることは、当該政党の目標またはその支持者の行動から明らかにされなければならない。
  • a) 政党の目標とは、政党が政治的に希求するものの総体である。
  • b) 支持者とは、党員でないとしても、政党のために力を尽くし、そして当該政党を信奉するすべての人である。
  • c) 政党にはまず、当該政党の機関、とりわけ政党指導部および指導的幹部の活動が含まれる。単なる党員の意見表明や行為の場合は、それがある政治的コンテクストの中にあり、政党がそれを是認または受忍した場合にのみ帰属することが可能である。政党に属していない支持者の場合には、原則としてその行動に政党が影響を受け、政党が行動を是認することが帰属可能性の必要条件である。具体的な帰属連関がなく犯罪行為や暴力行為を一括して帰属することは顧慮されない。免責特権の原則は、議会での意見表明の帰属を排除するものではない。

6. 政党が自由で民主的な基本秩序に反する目標を設定するだけでは政党禁止命令には十分ではない。むしろ政党は自由で民主的な基本秩序の制約または除去を「目指す」ものでなければならない。
  • a) そのような「目指すこと」は概念上、能動的行為を前提とする。政党禁止は心情・世界観の禁止ではない。政党による自由で民主的な基本秩序の克服のための限界値を超えることが必要である。
  • b) 特別な準備行為の意味で自由で民主的な基本秩序の制約もしくは除去またはドイツ連邦共和国の尊属を脅かすことに向けられた計画的措置が存在しなければならない。
  • c) 基本法21条1項により保護される法益に対する具体的危険がそれによって根拠づけられることは必要ない。もっとも、自由で民主的な基本秩序またはドイツ連邦共和国の存続に反対する行為の結果を少なくとも可能と思わせるような重要な具体的な手掛かりが必要である。
  • d) 暴力の使用はすでにそれだけで見ても、基本法21条2項の保護法益に対する攻撃の成功の可能性の想定を正当化するのに十分に重要である。ある政党が地域的に限定された空間で、政治的意思形成プロセスへのすべての者の自由で同権的な参加を持続的に制約するにふさわしい「不安の雰囲気〔不安感〕」をもたらす場合も同様である

7. 不文の構成要件要素を想定する余地は、基本法21条2項の枠内では存在しない。
  • a) ある政党が民族社会主義に本質的に類似していることは、それだけでは政党禁止命令を正当化しない。もっとも、それには憲法敵対的目標の追及に関して間接証拠として重大な意義が認められる。
  • b) 比例原則の個別的適用は必要ない。
8. 政党の違憲確認にかかる上述の要求〔要件〕は、欧州人権裁判所が人権及び基本的自由の保護のための条約(欧州人権条約EMRK)の政党禁止に関する判例から導き出した基準と一致する。
9. 以上のような基準に基づけば、禁止の申立てには理由がない。
  • a) 被申立人は、その目標および支持者の行動によれば、自由で民主的な基本秩序の除去を希求している。民族的な「国民共同体」に方向づけられた権威的な「国民国家」により既存の憲法秩序を転換することを目指している。このような政治的コンセプトは、民族的国民共同体に属さないすべての者の人間の尊厳を軽視するものであり、基本法の民主制原理と一致しない。
  • b) 被申立人は計画的に活動し、自由で民主的な基本秩序に反対する目標を達成することで性格づけられる。
  • c) しかし、このような行為が生硬に至ることが少なくとも可能であると思わせるような重要な具体的手がかりが欠けている。

戸波江二先生の古稀を祝う会 

日時:2017年12月9日(土) 18時-20時(17時30分より受付開始) 
場所:リーガロイヤルホテル東京
169-8613 東京都新宿区戸塚町1-104-19
TEL:03-5285-1121
祝う会に関する連絡先については月報をご確認ください。