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2017年10月29日日曜日

11月4日(土):第242研究会

日時:2017年11月4日(土) 13時~18時  *報告2つのため13時からです。ご注意ください。
会場:専修大学法科大学院835教室

報告①(サブ報告) 13:00~14:50
報告者: 古野豊秋(日本比較法研究所嘱託研究所員)
報告判例:2016年10月31日第1法廷第1部会決定[別宅課税事件](1 BvR 871/13, 1 BvR 1833/13
判例要旨(本件の概要):
i. 本件の異議申立人は、自分の事務所としての別宅が、フライジンク市の「別宅税」に関する条例の例外規定に該当するとして、当局の課税処分に対して不服を申し立てたが、当局および専門裁判所ではその主張が認められなかった。
ii. 専門裁判所(バイエルン上級行政裁判所)は、当該例外規定の合憲性を合憲解釈で肯定した。
iii. その合憲解釈では、本宅以外の職業(営業)上の別宅が「別宅税」の例外とされる条件として、その「別宅」が主に利用されていることを新たに追加した。そして本件の「別宅」は、この新たな条件を満たしていないとして、異議申立人の主張を退けたのである。
iv. 憲法裁判所は、そのような解釈に基づく専門裁判所の決定が「合憲解釈」の限界を超えたものとして、異議申立人の基本権を侵害するとした。
v. 憲法裁判所の本件における決定は、専門裁判所による憲法の規定の解釈そのものを問題としたのではなくて、当該条例の解釈の仕方を問題とした。


報告②(メイン報告) 15:00~18:00
報告者:柴田憲司(中央大学)
報告判例:2016年7月27日第1法廷決定(BVerfGE 142, 353)(Beschluss des Ersten Senats vom 27. Juli 2016 -1 BvR 371/11-)
 〔最低限度の〕生存を確保する給付の保障(基本法20条1項と結びついた同1条1
項)のための需要を〔立法者が〕探求する際、原則として、扶養請求権の存否に関わ
らず、家族共同体において、互いのために保障し合い「共同の財産で」(“aus
einem Topf”)やりくりすることが合理的に期待されうる者の収入および財産を考慮
に入れることができる。

クリップボード@月報第252号


判例時報の連載
  • 毛利透「憲法訴訟の実践と理論1―ヘイトデモ禁止仮処分命令事件」判例時報2321号(2017年)
  • 毛利透「「憲法訴訟の実践と理論5―アンケート調査による個人情報取得とプライバシー権・表現の自由」判例時報2334号(2017年)
  • 小山剛「憲法訴訟の実践と理論3-自衛隊除法保全隊事件控訴審判決」判例時報2328号(2017年)
  • 小山剛「憲法訴訟の実践と理論7-第三者行為論と国の基本権保護義務」判例時報2341号(2017年)
  • 棟居快行「憲法訴訟の実践と理論4-タクシー事業における運賃設定の自由と規制」判例時報2331号(2017年)
判例時報2344号増刊「法曹実務にとっての近代立憲主義」(2017年11月3日)
  • 毛利透「表現の自由1」
  • 西原博史「思想・良心の自由」

笹田栄司
「司法過程と民主主義――司法組織のあり方を中心に」公法研究79号(2017.10)50-73頁

鈴木秀美
  • 「『開かれた新聞』委員会 座談会 偽情報に対抗措置を 分極化するネット社会」毎日新聞(東京朝刊)2017年10月17日
  • 「書評:山田健太『放送法と権力』」図書新聞3317号(2017年9月2日)

玉蟲由樹
[ドイツ憲法判例研究(197)]「世話法上の強制処遇と国家の基本権保護義務[連邦憲法裁判所第一法廷2016.7.26決定]」 自治研究93巻10号(20127.10)151-158頁

Yumiko Nakanishi (ed), Contemporary Issues in Human Rights Law: Europe and Asia, Springer , 2017
Yumiko Nakanishi, "Mechanisms to Protect Human Rights in the EU's External Relations"
Takeshi Jitsuhara, "Guarantee of the Right to Freedom of Speech in Japan-A Comparison with Doctorines in Germany"

2017年10月3日火曜日

10月13日(金):第241回研究会

日時:2017年10月13日(金) 18時~20時 *東北大での公法学会の前夜

報告者:高橋和広(東邦大学)

報告判例:2016年7月6日第2法廷第3部会決定(2 BvR 1454/13)
http://www.bverfg.de/e/rk20160706_2bvr145413.html

判例要旨:ネットサーフィン等のインターネット上の行為は、刑訴法100a条の「テレコミュニケーション」に該当する。基本法10条への介入は刑訴法100a条に基づき正当化される。

会場:「TKPガーデンシティ仙台 会議室30C」 

研究会終了後20時より、研究会会場の隣の部屋でケータリングサービスを利用して懇親会を開催いたします。予約の関係で懇親会にご参加くださる方は月報のアドレスまでお申込みください。申込みの最終的な締め切りは10月9日(月)とさせていただきます。

クリップボード@月報第251号

赤坂幸一
「統治機構論探訪Ⅰ-秩序形成プロセスと憲法」法セミ748号(2017年)70-76頁
「統治機構論探訪Ⅱ-憲法留保」法セミ749号(2017年)51-58頁
「統治機構論探訪Ⅲ-インフォーマルな憲法秩序」法セミ750号(2017年)54-59頁
「統治機構論探訪Ⅳ-新たな秩序形成プロセス」法セミ751号(2017年)74-78頁
「統治機構論探訪Ⅴ-委任立法の『目的・内容・範囲』」法セミ752号(2017年9月号)74-83頁
「統治機構論探訪Ⅵ-議会留保」法セミ753号(2017年10月号)
「統治機構論探訪Ⅶ-権力分立と正統性」法セミ754号(2017年11月号)76-83頁「立法過程の合理化・透明化」法教440号(2017年)44-51頁
「ドイツにおける連邦政府内部の憲法適合性審査-ベルリン調査報告」レファレンス794号(2017年)67-86頁


石村修
「田中正造と今村力三郎」専修大学今村法律研究室報67号(2017)


斎藤誠
「議員の発言による国家賠償・個人責任と司法審査のあり方」佐藤幸治・泉徳治編『行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ[滝井繁男先生追悼論集]』所収、2017年、219頁以下


Matthias Jestaedt/Hidemi Suzuki(Hrsg.)
Verfassungsentwicklung I, Auslegung, Wandlung und Änderung der Verfassung. Deutsch-japanisches Verfassungsgespräch 2015
 Vgl. https://www.mohr.de/buch/verfassungsentwicklung-9783161555190
I. Die Rolle von Verfassungsrecht
Toru Mori: Die Rolle von Verfassungsrecht – bei Rawls, Habermas und in Japan – Uwe
・Volkmann: Die Rolle von Verfassungsrecht – Kommentar zum Referat von Toru Mori

II. Konzepte der »Verfassungsentwicklung"
・Christian Bumke: Konzepte der Verfassungsentwicklung
Tomonobu Hayashi: Das Konzept »Verfassungsentwicklung« – aus japanischer Sicht

III. Die Verfassungsänderung und ihre Grenzen
・Christoph Schönberger: Die Verfassungsänderung und ihre Grenzen: Überlegungen zu einem Vergleich zwischen Deutschland und Japan
Atsushi Takada: Verfassungsänderung und ihre Grenze in Japan

IV. Der Verfassungsänderungsentwurf der LDP
Hiroshi Nishihara: Zwischen Staatsabhängigkeit und Repräsentationsdefizit. Warum akzeptieren viele Japaner die anti-freiheitliche Verfassungsreform der LDP?
・Christian Waldhoff: Kommentar zum Vortrag von Hiroshi Nishihara

V. Notwendigkeit und Bedeutung einer Verfassungsänderung am Beispiel von Art. 10, 13 und 16 GG
・Christian Hillgruber: Notwendigkeit und Bedeutung einer Verfassungsänderung am Beispiel von Art. 10, 13 und 16 GG
Nobuhiko Kawamata: Verfassungsänderung und Verfassungsgerichtsbarkeit – Kommentar zum Referat von Christian Hillgruber

VI. Verfassungsinterpretation und Verfassungswandel
Yuhiko Miyake: Verfassungsinterpretation und Verfassungswandel
・Ralf Poscher:Verfassungswandel – Eine sprachtheoretische Erläuterung

VII. Lebenspartnerschaft: Schutz durch die Verfassung
・Martin Nettesheim: Auf dem Weg zur gleichgeschlechtlichen Ehe: Zur Rolle von Bundesverfassungsgericht und Gesetzgeber
Mitsuhiro Matsubara: Lebenspartnerschaft: Schutz durch die Verfassung – Kommentar


鈴木秀美小山剛、マティアス・イェシュテット、ラルフ・ポッシャー編
『憲法の発展I』(信山社、2017年9月)
 Vgl. http://www.shinzansha.co.jp/book/b314307.html
◆Ⅰ◆ 憲法の役割
◇ 1〈報告〉◇憲法の役割―ロールズ、ハーバーマス、日本〔毛利透
◇ 2〔コメント〕◇憲法の役割〔ウヴェ・フォルクマン〔西土彰一郎 訳〕〕
◆Ⅱ◆ 「憲法発展」の概念
◇ 1〈報告〉◇憲法発展の諸構想〔クリスチャン・ブムケ〔高橋雅人 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇「憲法発展」の観念―日本の視点から〔林知更
◆Ⅲ◆ 憲法改正とその限界
◇ 1〈報告〉◇憲法改正とその限界―日独比較についての考察〔クリストフ・シェーンベルガー〔柴田尭史=宮村教平 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇日本における憲法改正とその限界〔高田篤
◆Ⅳ◆ 自由民主党の日本国憲法改正案
◇1〈報告〉◇国家依存性と代表性の欠陥の狭間で―多くの国民が反自由主義的な自民党憲法改正草案を受け入れる理由?〔西原博史
◇2〔コメント〕◇自由民主党の日本国憲法改正案〔クリスチャン・ヴァルトホフ〔杉原周治 訳〕〕
◆Ⅴ◆ ドイツ基本法10条、13条、16条を例とした憲法改正の必要性と意義
◇1〈報告〉◇憲法改正の必要性と意義、基本法10条、13条、16条を例として〔クリスチャン・ヒルグルーバー〔大西楠・テア 訳〕
◇2〔コメント〕◇憲法改正と憲法裁判〔川又伸彦
◆Ⅵ◆ 憲法解釈と憲法変遷
◇ 1〈報告〉◇憲法解釈と憲法変遷〔三宅雄彦〕
◇ 2〔コメント〕◇憲法変遷―言語理論による一解明〔ラルフ・ポッシャー〔柴田憲司 訳〕〕
◆Ⅶ◆ 同性パートナーの憲法による保護
◇ 1〈報告〉◇同性婚への道筋―連邦憲法裁判所と立法者の役割について〔マルティン・ネッテスハイム〔太田航平村山美樹 訳〕〕
◇ 2〔コメント〕◇生活パートナーシップ:憲法による保護―法・変遷する社会〔松原光宏


鈴木秀美
「『開かれた新聞』委員会から 戦後72年の夏、報道の使命」
毎日新聞(東京朝刊)2017年9月14日13面


棟居快行
「ハンセン病と憲法」専修大学今村法律研究室報67号(2017)


カール=フリードリッヒ・レンツ
[ドイツ憲法判例研究(196)]土地取得税に関するドイツ連邦憲法裁判所の違憲決定[第一法廷2015.6.23]」 自治研究93巻9号(2017.9)145-154頁

2017年8月25日金曜日

9月2日(土):第240回研究会

日時:2017年9月2日(土) 14時

会場:専修大学(法科大学院棟3階の835 教室)

報告者:武市周作(東洋大学)

報告判例:2016年4月19日第1法廷判決[子どもが自分の出自を知る権利とその限界について](1 BvR 3309/13)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2016/04/rs20160419_1bvr330913.html

判例要旨
一般的人格権(基本法1条1項と結びついた2条1項)は立法者に対して、民法典1600d条による父性確定手続に加えて、推定上の血縁の父ではあるが法的には父親ではない者に対する出自に関する・独立のすなわち法的効果のない解明手続をも整備することは義務づけられていない。

クリップボード@月報第250号

水島朝穂
『平和の憲法政策論』(日本評論社、2017年)

片桐直人・岡田順太・松尾陽編
『別冊法学セミナー:憲法のこれから』(日本評論社、2017年)
  •  藤井康博「環境と未来への責任――環境憲法と憲法改正?」
  •  片桐直人「『官邸主導』政治のコントロール」
  •  高橋雅人「執行権の集中と分散」
  •  上代庸平「経済財政政策と憲法――『従たる憲法』としての経済・財政憲法?」
  •  片桐直人・岡田順太・松尾陽「鼎談」

渡辺康行・木下智史・尾形健編『憲法学からみた最高裁判所裁判官』(日本評論社、2017年)
  • 赤坂幸一「第2章 河村又介」「第24章 竹崎博允」
  • 片桐直人「第8章 村上朝一」「第14章 矢口洪一」
  • 渡辺康行「第10章 団藤重光」「第21章 藤田宙靖」
  • 笹田栄司「第11章 中村治朗」

佐藤幸治・泉徳治編『行政訴訟の活発化と国民の権利重視の行政へ』(日本評論社、2017年)
  • 笹田栄司「『人権の実効的救済』についての覚書」
  • 棟居快行「違憲国賠訴訟とその周辺」

石塚壮太郎
「[ドイツ憲法判例研究195]レコードサンプリングをめぐる芸術の自由と著作隣接権との調整 : サンプリング事件[ドイツ連邦憲法裁判所第一法廷2016.5.31判決]」自治研究93巻8号(2017.8)151-158頁

鈴木秀美
「書評:成原慧『表現の自由とアーキテクチャ』」論究ジュリスト2017年夏号134-135頁 

土屋武
「[ドイツ憲法判例研究194]欧州議会選挙三%阻止条項違憲無効判決」自治研究93巻7号(2017.7)154-162頁

高橋和之・高見勝利/宍戸常寿・林知更・小島慎司・西村裕一
「戦後憲法学の70年を語る――髙橋・高見憲法学との対話1-1 第1回 研究の出発点、憲法学の方法論」法律時報89巻9号(2017.7)
 
三宅雄彦
「書評・公法学史方法の日独比較・Christoph Schönberger, Der „German Approach“, 2015」(埼玉大学)社会科学論集151号(2017年6月)21-29頁

2017年6月23日金曜日

7月1日(土):第249回研究会

日時:2017年7月1日(土) 14時

会場:専修大学(法科大学院棟3 階の837 教室) *いつもの教室とは異なります。
報告者:カール=フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)

報告判例:2016年12月6日の第1法廷判決[原発廃止法違憲判決](1 BvR 2821/11, 1 BvR 1456/12, 1 BvR 321/12)
 ※判例の翻訳はレンツ会員のDropboxに公開されています。以下のリンクを辿って確認できます(リンクをクリックするとPDFファイルが開きますのでご注意ください)。
http://k-lenz.de/atom

判例要旨
  1. 原発廃止の加速を目的とした原子力法の第13改正法は、概ねに、合憲である。
  2. 欧州連合の加盟国が完全に所有する国内の営利活動している法人は、憲法の欧州連合法に対する礼譲を故に、例外の場合には所有権を主張して憲法異議を提起することができる。
  3. a) 2002年および2010年の法律により、個別原発に指定された発電枠は、それ自体が所有権保護を受ける個別対象でないが、重大な使用枠として原発の所有権保障の一部である。
    b) 公法上の許可は、原則として所有権保障の対象でない。
  4. 憲法14条3項における収用は、所有権の主体変更による所有権の剥奪の上に、常に国家による所有権取得を必要とする。そのため、2011年7月31日の第13原子力法改正法による原発廃止加速に関する規定は、収用に該当しない。
  5. 憲法14条1項2文の内容および限界を定めるための、所有権に関する使用および処分の自由の制限が具体的な所有権地位を剥奪して国家の権利取得がない場合、これらの制限の比例性について厳格に審査しなければならない。その場合、常に補償について検討しなければならない。
  6. 本件憲法異議の対象である第13原子力法改正法により、2010年末の立法で原発の運転期間が平均12年間に延長されたことが撤回されたが、その撤回は、追加発電枠に関する信頼が複数の原因により限定されたため、合憲である。立法者には、危険についての新たな認識がない前提でも、福島原発を理由に、国民の健康の保護および環境保護を目的に、原発廃止を加速することが許された。
  7. 発電所の残存運転機関が法律で定められたこと、本件で特に約束された信頼保護のため、第13原子力改正法は、以下の点で、許されない所有権の内容および限界を含む。憲法異議の原告の2社について、2002年の残存発電枠を社内で利用できない結果になる点である。
  8. 一定の条件の元、憲法14条1項は、現行法の維持に関する正当な信頼が所有権およびその利用可能性に関する投資の根拠となる限り、その信頼を保護する。