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2014年12月22日月曜日

鈴木代表短期在外研究報告

 2014年10月31日から約1ヶ月、大阪大学法学部50周年基金の研究助成により、鈴木代表がフライブルク大学にて短期在外研究を行いました。滞在中、イェシュテット教授、ポッシャー教授との間で、2015年に開催予定の日独共同セミナーについての打ち合わせを行いました。
 フライブルク大学スタッフとの交流としては、マージング教授が定期的に公法講座のMitarbeiterと行っている勉強会に参加させていただきました。この勉強会は、公法講座のクローズドな会合で、マージング教授の前任者のヴァール教授、その前任者のベッケンフェルデ教授も参加されました。また、ポッシャー教授が国家学・法哲学講座のMitarbeiterと行っている勉強会にも参加させていただきました。ポッシャー教授は、現在、KORSE (Kompetenznetzwerk für das Recht der zivilen Sicherheit in Europa)というプロジェクト(https://www.korse.uni-freiburg.de/projekt)を進めています。これは、連邦教育研究省の支援によるもので、市民社会における安全確保のための新しい技術開発について、その実用可能性を高めるために、開発の段階から、倫理的・法的な観点からその有用性や許容性も検討することを課題としているそうです。勉強会は、プロジェクトの打ち合わせの後に行われ、報告者が上記課題に関連する最近の論文を選んでその内容を紹介し、それについて参加者が討論するというかたちで行われています。
 この他、ヴァール教授がフォスクーレ教授と行っている読書会(Literaturkolloquium)にも参加しました。この読書会は希望者はだれでも参加できるオープンな会合です。11月27日の読書会では、Jürgen Habermas, Zur Prinzipienkonkurrenz von Bürgergleichheit und Staatengleichheit im supranationalen Gemeinwesen, in: Der Staat 53 (2014), S. 167–192が取り上げられ、ヴィッシュメイヤー博士(Dr. Thomas Wischmeyer)が概要を報告、その後、ヴァール教授の司会の下、前記文献を手がかりとして討論が行われました。討論の中では、連邦憲法裁判所長官フォスクーレ教授がヨーロッパ議会3パーセント条項違憲判決についてコメントされたほか、参加者の間で欧州連合が超国家機関にとどまるべきか、連邦を目指すべきかをめぐって活発な意見交換が行われました。この読書会は、次回、2015年2月5日(木)20時から開催される予定です。取り上げられる文献は、Martha Nussbaum, Die neue religiöse Intoleranz: Ein Ausweg aus der Politik der Angst, 2014 です。詳細は、https://www.jura.uni-freiburg.de/institute/rphil/stawi/de/aktuellesをご参照ください。
 フライブルク大学法学部では、このように、正規の講義やゼミナール以外にも勉強会、読書会、講演会等が活発に行われています。