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2016年8月29日月曜日

9月3日(土):第230回研究会

日時:2016年9月3 日(土) 13時
報告者①(メイン報告):中西優美子(一橋大学)
報告判例:2015年12月15日の第2法廷決定(2 BvR 2735/14)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2015/12/rs20151215_2bvr273514.html
判例要旨
  1. 連邦憲法裁判所は、アイデンティティコントロールを通じて基本法79条3項及び1条1項と結びついた23条1項3文に基づき不可欠な基本権保護を無条件にかつ個々の場合において保障する。
  2. アイデンティティコントロール実施のための厳格な前提条件は、しかるべき憲法異議における高められた許容性要件の中に反映される。
  3. 在罪性原則は、憲法アイデンティティに属する。それゆえ同原則は、不在のまま有罪判決を受けた者の刑事判決の執行のための引き渡しの際においても維持される。
  4. ドイツの高権機関は、他の国家による人間の尊厳の違反の片棒を担ぐことは許されない。在罪性原則の尊重に関して裁判所が実施しなければならない捜査の範囲と程度は、基本法1条1項により要請される最小限の基準を下回っているとする、有罪判決を受けた者の主張の根拠の性質と重大性による。


報告者②(サブ報告):カール=フリードリッヒ・レンツ(青山学院大学)
報告判例:2015年6月23日の第1法廷決定(1 BvL 13/11. 14/11)
https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Entscheidungen/DE/2015/06/ls20150623_1bvl001311.html
判例要旨
土地登記免許税法8条2項は違憲
  1. 連邦憲法裁判所が、ある法規が憲法3条1項と両立しないことを確認した上に、当該法規が一定の期間中に妥当し続けることを命令した場合、憲法100条1項に基づく裁判所による付託が継続妥当期間についても排除されない。但し、当該規定が別な規制関係のものであることが条件である。
  2. 納税義務者の平等負担のため、課税される財産について、その価値を現実的に把握するための評価基準が必要である。
  3. 立法者が通常課税基準と並んで特別課税基準の妥当を命令した場合、負担平等の原則(憲法3条)を遵守するために、当該特別評価基準の結果が通常評価基準と概ね近いものでなければならない。土地登記免許税法8条2項(評価法138条以下と関連して)は、この要求を満たしていない。

クリップボード@月報第240号

小山剛
『「憲法上の権利」の作法〔第3版〕』(尚学社、2016.8)

古野豊秋
『違憲の憲法理論と解釈』(尚学社、2016.7)

岩間昭道
「憲法九条についての若干の考察」千葉大学法学論集31巻1号(2016.7)
栗島智明
Eine unantastbare Verfassung? – Vom Sinn und Unsinn der Debatte um Verfassungsänderung in Japan
https://www.juwiss.de/69-2016/
 *“Junge Wissenschaft im öffentlichen Recht“というブログに2016年8月11日付で上記の記事が掲載されました。

片桐直人
「財政・会計・予算――財政法の基礎を巡る一考察」法律時報88巻9号(2016.7)

三宅雄彦
「学長時代のスメント:ゲッティンゲン大学戦後史の一断面」早稲田法学91巻3号(浦川道太郎先生退職記念号)(2016.6)103-135頁

カール=フリードリッヒ・レンツ
【ドイツ憲法判例研究183】「相続税法に関する違憲判決[ドイツ連邦憲法裁判所2014.12.17判決]  自治研究92巻7号(2016.6)154-162頁


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